映画「キサラギ」 最高のワンシチュエーション・ドラマ

2024年11月26日

問題作の「大日本人」を観ようかと思っていましたが、場所と時間の都合で「キサラギ」にしました。Movie Walkerで評判もいいようですし。

あらすじ

B級アイドル・如月ミキの自殺から1年後、ファンサイトを通じて集まった5人の男たちが、ミキの死の真相をめぐって密室でスリリングな推理合戦を繰りひろげる。

うーん、素晴らしい。

とある部屋のワン・シチュエーション映画ですが、これが面白いです。

素人でも映画を作ろうと思えば作れる規模の撮影なのですが、プロがやるとここまで面白くできるという見本のようです。
自主製作映画を作る人、作ろうとしている人は、ぜひ見て欲しいです。

自殺をした売れないアイドル「如月ミキ」の追悼1周年記念としてのオフ会を開催した。
懐かしく、楽しい時間をすごせればと集ったはずだが、その不自然な自殺に疑問をなげかけたことから、意外な事実が次々と明るみに…。
って、そっち側の事実かよ、という感じのサスペンス・コメディ映画。

とにかく、ドラマとしてはシリアスなんだけど笑えるシーンが満載です。
話が進むに連れ、伏線がばらまかれていって収束していく様は見事です。
「サマー・タイム・マシン・ブルース」を思わせますが、テンポがいいです。

…やっぱ舞台(劇団“48BLUES”)が元となっているようです。

そして、終わりそうで終わらない感じで、ずるずる続いて、楽しませてくれます。

ラスト際まで、如月ユキの映像がはっきりでてこないあたりも結構いいポイントです。
いつもは無難な小栗旬がいい感じだし、ユースケ…も結構いい。香川は安定で、キャスティングもばっちり。

個人的に、今年No.1の映画の候補です。
でも、ラストのあれは余計だなと思いました。

あまり地下アイドル及び地下アイドルファンを好意的に描いていないので、人によっては注意が必要です。

映画「キサラギ」 2007年

評価:★★★★
監督:佐藤祐市
脚本:古沢良太
配給:ショウゲート
出演:
家元:小栗旬
オダ・ユージ:ユースケ・サンタマリア
スネーク:小出恵介
安男:塚地武雅
如月ミキ:さかいかな
いちご娘:香川照之
イベント司会者;宍戸錠